概要
釈迦の伝記と教えから紐解きつつ、三経義疏、般若経典群、戒律・法華信仰・浄土信仰の経典、お盆、施餓鬼の経典ほか、日本の歴史・文化・風習に大きな影響をあたえた29の重要経典を精選し、その要所を平易に現代語訳。基礎知識とともに、『源氏物語』『平家物語』といった古典文学との関わり、各宗派の教義、日常の話し言葉になった仏語の由来なども解説する。一冊で「読む」「知る」「学ぶ」ができる格好の必備書。
(カバーの裏表紙より引用)
はじめに
ありそうで無かった本。という印象です。
本書は、日本仏教に大きな影響を及ぼした「経典」を幅広く、しかも読みやすく解説している本です。
基本的に年代順に書かれているので、どんな思想が展開されたのかも、全体として知ることができます。
ところどころコラム的な箇所もあるので、ためになります。
「聖書」を知らず西洋は語れない。「経典」を知らず日本は語れない。
上の”「聖書」を知らず~”は、本書の帯に書かれたキャッチコピーなのです。
本屋でこのキャッチコピーに惹かれて購入したのですが、想像以上に面白かったです。
釈迦の生涯を描いたものから、鎮護国家、民衆による信仰など、歴史的な背景もあり重層的に経典が読まれたのだと知ることができます。
また、初心者が「経典」を読むこと自体ムズガシく、そもそもまず何を読めば良いのかさえワカラナイのです。
その点、全体像をできるかぎり把握しえる範囲で厳選されています。
そして「ふりがな」や、その都度専門用語に括弧書きで解説してくれるので、とても読みやすいです。
実際に経典を読んでみて
単に選ればれた箇所が良かったのか、筆者の解説が良かったのか、はたまた自分の理解が浅すぎたのか、ちょっと分かりませんが、とにかく書かれている内容は理解できました。
といっても、具体的に説明しようとしても言語化できないので、まだまだ理解不足なのでしょう。
仏教にも、いろいろと難しい理論もあるのかもしれませんが、もう少し後で勉強すればいいと思います。
まずは、きっかけを作るという意味では、本書はおすすめの良書と言えるでしょう。